今年も1カ月を余すところとなりました。
皆様には、つつがなくお過ごしのこととお喜び申し上げます。
さて私は、新しい年号に変わり、喜寿を迎える寸前に脳梗塞で入院し、1か月ベットの上の生活を余儀なくされました。病気らしい病気もしたことなく、まして入院の経験もない私が、ひたすらベットに座って窓の外を眺める日々は、私に十分人生の振り返りの時間を与えてくれました。
おりしも桜が散って緑が深まっていく自然の流れの美しさ、悠久感に包まれ、いつしかこれからの自分の生き方をつかみ取った感じがいたしました。
ゆっくりと時が流れる中で、今まで味わったことのない妙な心地よさは何だったろうか?
これまでひたすら頑張った人生に何の意味があったのか?
かなり背伸びをして生きてきた自分がちっぽけに見えさえしてきました。
十分頑張ったのだし、少しゆっくりしていいんだ!
そう思えるようになりました。
そして今一人、人里離れて下田で暮らしています。
食事の準備する他、地元の港の突堤で、一人糸を垂れています。広くて大きな海に抱かれながら、何も考えないで、ただ時の流れに押し流されて過ごしているだけでしあわせです!体を休めるためにもしばらく下田にとどまる決意をいたしました。
そんなわけで、誠に勝手ながら、ここで一旦人生のリセットをさせていただきたく思います。これまで、皆様には散々お世話になっておきながら何のお返しもできないまま、誠に恐縮ではございますが、よろしくお願い申し上げます。
従いまして、新年のご挨拶、一般の生業、お付き合いは疎遠になりますが、どうぞお許しいただきます様伏してお願い申し上げます。
皆様のご多幸を心からお祈り申し上げます。長い間お世話になりありがとうございました。 合掌
令和元年十二月一日 有侭 水如 (鍛 邦雄)
上記のハガキを12月1日発送して4~5日たったが、その反応の大きさに驚いています。突然と言えば突然ですが、みなさんも驚かれたようで、申し訳ないような気分になりました。突然一方的に言い出すものだから、、冷たく感じられたと思われたのでしょう!皆さんにあらためてお詫び申し上げます。
60年ぶりに、入社同期の女の子から、昔恋心を抱いた女の子から、同じ職場で働いた同僚から、大先輩の上司から、本当に多くの方から、電話を戴いたり、わざわざ長文の励ましの手紙を戴いたり、LINEで句を送って下さったり、感謝感激です。こんな私でも、気遣っていただけることに、涙します。本当にありがとうございます。その思いを大事にこれからひっそりと暮らしていきたいと思います。